NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか 〜天才数学者 失踪の謎〜」

http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html


睡眠不足なので、早く寝たくて、
おっかけで1.5倍速の早見でほぼ通して見た。
確か昨日の朝番宣を見て予約したが、
それがなければたぶん見逃していた。


こういうのをやるのは珍しい。
フィールズ賞受賞を拒否して失踪、ってのはあるけど、
数学ネタなんて、めったに取り上げられない。
BBCとの共同、とかかと思ったら、そうではないらしい。
それにしても、この内容で5.9%はすごい。


話の内容は、


ポアンカレは、
「やわらかい幾何学」=「位相幾何学」を発展に寄与した。
それまでは「かたい幾何学」がはやっていた。
(それがニュートンが起源みたいなのはちょっと。
デカルトのほうがいいと思うんだけど、
やっぱ知名度がないのか?)


ポアンカレはおよそ100年前に、
「単連結な三次元閉多様体は三次元球面に同相である」
と予想した。
それが「ポアンカレ予想」。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AC%E4%BA%88%E6%83%B3


「単連結」=「ロケットに紐をくくりつけて飛ばして、戻ってきたあとにいつも紐を回収できる(どこにもひっかからない)」
「同相」=「形を連続的に変形させたら同じになる」


当たり前に思えることが、100年もわからなかった。


まず、ポアンカレ予想をn次元に拡張して、
それを解こうとした。
これって、単なる一般化じゃなくて戦略だったのか。
しかし、三次元だけ解けなかった。


その次に、宇宙は8つの形に分類できると予想した(「幾何化予想」)。
その中で、7つは明らかに「紐が回収できない」。
最後の「球のような形」のときだけ「回収できる」。
このようにポアンカレ予想を含む問題を考えることになった。


ペレリマンは、
幾何化予想を解いて、その結果としてポアンカレ予想を解いた。
このとき、数学界は「位相幾何学」が全盛期だったが、
その手法は皮肉にも「微分幾何学」のものだった。



最初は、
ポアンカレ予想」に挑んだ数学者は精神を病む、
というのがもっと前面に出るのかと思ったが、
そうではなく、割とまじめに問題の解決までの道筋を紹介していた。
そういう話だと「連続体仮説」のほうが面白そうだし。


ペレリマンも、かつては快活だったが、
この問題に取り組んで、ひきこもりになってしまった。
しかし、最近新しい問題に取り組んでいる、
と光が差すようなエンディングになっていた。